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世界合唱の祭典 京都 大前夜祭 なにわコラリアーズ&国立音楽大学女声合唱団 ANGELICA

松下中央となにコラ。同じ日に二つも大物合唱団の演奏会である。松下は来年でも聞けるけど、 関東の有力女声合唱団ANGELICAとのジョイントするなにコラは今日しか聞けない。 こういう理由でNHK大阪ホールへと足を向けたのだった。

~オープニング~ Cantus Omnibus Unus(坂本龍一作曲)(伊藤恵司指揮)
男声・女声が歌いながら入場してくる。男声はさすが百戦錬磨。安定した歌声が会場に鳴り響いた。女声は音程が不安定だったが、 練習をほとんどしていないんじゃないの?という印象である。混声になってからはしっかりした男声に支えられて、 落ち着いたハーモニーとなった。
I. 日本の歌声~ピリカピリカ(アイヌ民謡、清水脩作曲)、神舞い(中村千榮子作詩、石井歓作曲)、 仮干切唄(宮崎県民謡、 松下耕作曲)、八木節(関東地方民謡、松下耕作曲)(伊藤恵司指揮)
前半の2曲はいま一歩のでき。Top Tenorのファルセットも不安定で、聞いているほうがハラハラしてしまった。 後半の2曲になるとグット安定して聞かせてくれます。このあたりの曲が愛唱曲とのことだが、歌い飛ばさないところが素晴らしい。  
II. 三善晃作品集~えびがはねたよ(吉村徹三作詩、三善晃作曲)、雪の窓辺で(薩摩忠作詩、三善晃作曲)、 女声合唱のための「四つの秋の歌」(高田敏子作詩、三善晃作曲)(松下耕指揮、浅井道子ピアノ)
言葉の扱いを丁寧に歌っていることがわかる。 えびの跳ねるさまピッピッピッが目の前で跳ねているような雰囲気が伝わる小気味良い子音のはじけ方であった。ユニゾンの統一感も美しい。 ハーモニーのハミングが重ためなのが旋律とのバランスで残念である。「四つの」になると大人の声に変わる。前半は「こどものための」 なので発声を変えていたのかな。高音になって、かすれたような声が聞こえてくるのが違和感がある。メゾの高い辺があかんのかな。 音楽の作りは悪くないのに発声面でこうした引っ掛かりがあるのはもったいないなあ。
III. 世界の歌声~Selenade(Selim Palmgren作曲)、Fengyang Song(中国民謡、 Chen Yi作曲)、El Calbon(コロンビア民謡、Rito Mantilla編曲)、Gentle Annie(Stephen Foster作曲、Alice Parker & Roberts Shaw編曲)、 Mirjarmin Laulu(Eino Leino作詩、Leevi Madeto作曲)、 Betelehem(ナイジェリア賛美歌、Via Olatunji作曲、Wendell Whalum編曲)、My Dof is a Rock(Spiritual、福永陽一郎編曲)(伊藤恵司指揮)
一曲目の北欧ものの歌いっぷりは上手いねえ。なにコラの真骨頂という感じ。中国もののアジアの雰囲気も良く出ている。 ソリスト陣も次々と登場し、誰に歌わせても巧い!とうなってしまう。フォスターの曲でステージいっぱいに広がったときには、 やや音程が不安定になった。うまい人だけでカバーできなくなったということだろうな。 ナイジェリアの曲は前半はシサスクのBenedictioに似た雰囲気。後半になって打楽器、掛け声、身振りが入り、 アフリカンミュージック炸裂で楽しい。しめはオーソドックスなスピリチュアル。プログラム構成も見事である。
IV. 女声合唱とピアノのための「この星の上で」(谷川俊太郎作詩、松下耕作曲)(松下耕指揮、浅井道子ピアノ)
美しいが声が粒立って来ないというか、美しいだけに終わっている感があるのが不満である。 なにコラの個人の表現と比べられてしまうのが特にそう感じさせるに違いない。「ほほえみ」 のパートの掛け合いのところはパートバランスがいま一歩で必然性が感じられない。 そのあとのユニゾン(ホモフォニー)が美しかっただけに、ばらつきが目立ってしまったのかな。まさかそれを意図した演奏じゃないよね。 「今年」もユニゾンが印象的。ユニゾンがうまい合唱団はうまいというのが定説だが、 Angelicaはユニゾンが聞かせられる数少ない合唱団かも。表現力の点で精進が必要だと思うな。バランス悪いから。 松下さんの指揮に頼りきりにならず、歌い手の音楽性を磨けばできるはずだ。
V. そのひとがうたうとき(谷川俊太郎作詩、松下耕作曲)(松下耕指揮、浅井道子ピアノ)
男女混成のオーダーはなにコラのたっての希望だとか。こうしたあからさまなことができるのも男声と女声のジョイントだからこそ。 音楽的には安定した男声の土台の上にうまく女声が乗れたという意味で成功だったと思う。Angeの美しい声が無理なく響き、 男声も良くコントロールされ、混声合唱団として違和感のない演奏だった(褒めてます)。ただ、 TopTenorはついついいつもの通り出してしまうところが有るのは仕方がないのかも。
Encore 私たちの星(谷川俊太郎作詩、松下耕作曲)(松下耕指揮、浅井道子ピアノ)
とても幸せな気持ちにさせてくれた、素晴らしいエンディング。

実は、Angelicaにはもう少し期待していたのだけど、やはり学生合唱団の限界は感じてしまった。 大人の男声の熟成度には勝てないということでしょうか。勝ち負けではないのだろうけど、 今回のジョイントで感じたことを今後の活動に生かしていけたら、コンサートには素晴らしい演奏が聞けるのではないか、そう感じられた。

なにコラは、コンクール以外では初めて演奏を聞いた。何といってもステージプログラミングがうまい。 合唱を知らない人でも楽しめる演奏ができる合唱団はほんと多くない。 なにコラは日本を代表するエンタテナーであると断言しよう(褒めすぎ?)。

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コメント

トラックバックありがとうございます。
そういえば肝心の演奏については私の記事はあんまり触れてませんね(汗 曲のことばっかりです…


なにコラのプログラムビルディングのすばらしさについては同意です。
2回目の曲や定番曲もけっこうあったのですけど、普通に楽しめました。
演奏会は毎年あんな感じなので、見に行かれるとほんと楽しいですよ。


あと、コミュニティコンサート見に行くかもしれません。
練習がんばってください!

>>まちこさん
いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。

コミュニティコンサートは知り合いの方をお誘い合わせの上お越しください。必要であれば、チケットをご用意いたします(まだ満席には遠いようで(^_^;))。

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